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中村 義輝; 奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 福田 光宏; 奥村 進; 横田 渉; 荒川 和夫; 宮脇 信正; et al.
KEK Proceedings 2003-19, p.8 - 13, 2004/03
日本原子力研究所高崎研究所のTIARA施設は、材料科学やバイオ技術などの広範な研究を進展させるために建設された。TIARAに設置されている4台のイオン加速器のうちの1つであるAVFサイクロトロン装置は、1991年3月でのファーストビームの引き出し以来、特に深刻な故障もなく順調に運転されている。年間の運転時間は、最新8年間での平均で約3200hである。特にサイクロトロン装置は、実験者からの多様なイオン種の要望に応じて、頻繁な運転条件の変更が必要となっている。一方イオンビームの強度,品質及び信頼性等を改善するため、われわれはこれまで数多くの改造や開発を継続して実施してきている。それらのうちの幾つかの内容は、制御系システムの更新,イオン源の増強,数シリーズのカクテルビームにおける加速技術の開発,サイクロトロンビームの安定化及び励磁コイルを持つグラジエントコレクターの設計、等々である。さらに、われわれは現在フォーカス型で1ミクロンのマイクロビームを形成するためのさまざまな対策、例えばフラットトップ加速システムの導入,サイクロトロン中心領域の改造,ビーム輸送系基幹ラインへの精密マイクロスリットの設置、などを進めている。
上松 敬; 荒川 和夫; 奥村 進; 中村 義輝; 田島 訓
KEK Proceedings 2003-19, p.27 - 29, 2004/03
サイクロトロンの運転操作では、引出しビームが最大になるように何十ものパラメータの調整が必要である。経験豊かなオペレーターは、その経験と直観力で試行錯誤によってこの処理をする。しかし、オペレータはビームの測定データや機器のアラームや状態のようなわずかな情報によってパラメータ調整をする必要があり、未熟者にとってビーム調整は難しい。われわれはJAERI-AVFサイクロトロンのためにコンピュータベースの可視化援助システムを開発した。支援システムは次のようなCRT表示を行う: サイクロトロンのビーム軌道,設定可能領域,調整履歴,ビーム調整パラメータを最適化するために設計された外部ビーム輸送のビームエンベロープ。支援システムの評価実験を行った結果、サイクロトロンの入射領域でのビーム条件を達成させるための操作時間はおよそ65%減らされた。また、支援システムはビーム輸送、例えばビームの軌道,エンベロープ,プロファイル,スポットサイズ,その他の問題を調査するために非常に役に立つ。